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(卓上に揺れるは一房の黄の花)



というわけで己れだ。

「……どちらさまか未だ存じませんが貴方様ですね。
 そして何故手土産に蜂蜜を持ってこなかったのだという
 食い意地溢るる貌をしてらっしゃる」

食べ物の恨みは比類無きものだ。

「誤解される前に言っておきますが…
 此方の一輪も花屋より求めたものであり
 光満つる彼の地のものではありませんからね…?
 ですのでその恨みがましげ且つ切なげな瞳で
 こちらを見つめられても困ります」

……空腹の辛さと恋愛の痛みは酷似していると思わぬか。
こう。求めても求めても満ちぬ辺りとか特に。

「恋は叶わぬうちが華だとの受け売りですが」

愚なるかな。
恋を恋うても死にはせんが
空腹は叶わなければ死在るのみよ。
というわけで蜂蜜。はーちーみーつー。
お前だけ召してきたのだろう狡いぞ狡い。世は不平等だ。

「…シャルロッテを前にして尚一字一句同じ言を曰えるのでしたら、
 今度いっとう綺麗な瓶のものを探して参りましょうよ」

うわ何その美味そうなバゲット。何時の間に出した。
おいこら己れにも分けろ、家長への礼を存ぜぬのか、
おい、
おーいー こらー
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.
(我求道者たれど求道者たらず。)
.
寂しくはないのか。

「素敵な方々が幸いなるかな私の周囲には沢山いらっしゃるのです。
 その色とりどりの営みを眺めていられるだけでも満ち足りていると言えましょう」

お前が、寂しくはないのか。

「……真に抑制を、孤独を忘れてしまえば。
 悪魔は一生私を連れ去りに来てはくれないでしょうから」

飢えを忘れる気はないと?

「その方が、夕餉が美味しいでしょう?」
.
スピカの力無しには何処にでも闇が溢れているこのご時世で、
態々上層に出でて本物の空を臨んで尚夜を好むとは
斯くも人間とは奇妙な生き物だな。

夜と闇とは異なる、と。
然しお前が求むは星影ではない、宵闇だろう。
其れがお前の美意識なのか。
.
(追想)
(ふゆのよあけ)
prof.
name:
spinel
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